第6期のテーマは、直木賞を支えてきた人物いろいろ。彼らがいたから、いまの直木賞がある。「(裏)人物事典」です。
やめる機会も見つからず。やればやるほど、深みにはまって、このブログも6年目です(過去5年の悪戦苦闘のリストはこちら)。
いつまでやっても終わりは見えません。なぜだろう。やっぱり、昭和10年/1935年以来70数年もつづいている、っていうこの無駄に長い歴史が、掘っても掘ってもいつも面白い、直木賞の魅力の源泉であり、ひるがえって直木賞研究者が苦しめられる原因かもしれません。
受賞作・候補作リストだけでも圧倒的な分量です。眺めているだけで、時がたつのを忘れます。受賞者だけに絞ってみても、それだけで一冊の本ができるほどです。まあ、いつもどおり芥川賞とセットではありますが、以前紹介したような、『芥川賞・直木賞 受賞者総覧』(平成2年/1990年3月・教育社刊)、『芥川・直木賞名鑑』(平成11年/1999年11月・名鑑社刊 新装改訂版)なんてものが出版されているくらいで。
しかし、ワタクシは思います。直木賞の歴史は、受賞者だけがつくってきたわけではないぞ。そこに、候補者や選考委員を加えても、まだ足りない。いまこうして、直木賞が虚名を張って生き延び、半年に一回、やんややんやと馬鹿にされて騒がれているのは、それ以外の、支えてきた人たちがいたからではないですか。と。支えている意識が彼らにあるかないかは別として。
編集者。評論家。書評家。ジャーナリスト。ときに読者。などなどです。
直木賞、つう枠で語られることは少ないんですが、じっさい、こういった人たちが直木賞をつくってきました。受賞作家や候補作家、選考委員たちのことだけで直木賞を語ろうだなんて、直木賞の片面すらとらえ切れていないですもんね。と、まずは自分に言い聞かせつつ。
「直木賞(裏)人物事典」とテーマ名を付けました。事典というからには、氏名の五十音順とか、生年順とか、職業順とか、系統立てて書かないと恰好が悪いんですが、そこはそれ、思いつきでやっているブログですから、目をつぶってもらいましょう。取り上げる順番はランダムです。というか、誰を取り上げるのか、まだあまり見えていないわけですけど。
……つうことで、いちばん最初の「(裏)人物」は、裏と呼ぶにはなじまない、超重要、超有名人物から行きたいと思います。
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