小林久三展―社会派推理作家の軌跡―
直木賞候補になった一人の作家がいたとします。その作家のことを直木賞史のなかに置いてみると、結構さまざまな切り口が思いつくものですが、この方もまた、きっと多方面から検証可能な人なのです。
『小林久三展―社会派推理作家の軌跡―』(平成14年/2002年10月・古河文学館刊)
平成14年/2002年10月19日~11月24日に茨城県古河市の古河文学館で、小林久三の特別展が開かれました。本書はその際につくられた同館の刊行物です。当時まだご本人は存命中でしたが、年譜の末尾に、
「また、犯罪研究家としても、ロス疑惑事件、オウム事件等にも精力的に取り組む。この間、心筋梗塞と二度の脳梗塞を乗り越え、現在、次作に向け英気を養っている。」
とあり、昨年平成18年/2006年にあの世に旅立たれてしまいました。
たとえば久三さんを直木賞史のなかで見るのであれば、こんな軸が思い浮かびます。
“社会派”ミステリーの系譜(他には島田一男、笹沢左保、黒岩重吾、水上勉、樹下太郎、三好徹、結城昌治、笹倉明、高村薫、黒川博行など)
乱歩賞出身の系譜(他には多岐川恭、新章文子、戸川昌子、陳舜臣、藤本泉、高柳芳夫、高橋克彦、藤原伊織、桐野夏生、福井晴敏、真保裕一、東野圭吾、池井戸潤など)
いやあ、興味ぶかいテーマの数々だなあ。だけど、よおし、これでバシバシ語ってやろうじゃないか、などと無謀な宣言をする勇気は、今のワタクシにはありません。いつか準備万端整う時期がくることがあれば、ぜひとも考察してみたいよな。
ところで小林久三って誰だっけ? だなんて、んもう、水を差さないでくださいよ。
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