第137回直木賞(平成19年/2007年上半期)決定の夜に
さすがにブログっぽいことし始めたからには、こういう日には“週イチ”の掟を破って、何か書いてもいいのじゃないか、と自分自身に言い聞かせ、今晩決まった第137回(平成19年/2007年上半期)直木賞のこととか、書き残しておきたいと思います。
まずは、今回受賞に至らなかった候補のことについて。
桜庭一樹さん、あなたの勇姿は常にン十万の熱きラノベラーたちが、温かく見守っています。『赤朽葉家の伝説』での大ブレイクは、実にお見事でした! 遅ればせながらワタクシも、桜庭さんの作品に出逢えて幸せです。
畠中恵さん。時代小説だけの枠におさまるような方ではないと、勝手にお見受けしていますが、畠中さんでしか醸し出せない新たな時代小説の世界をぜひ切り拓いていってください。
万城目学さんには、本屋大賞をはじめ他のいろんな文学賞よりも先に、直木賞をもらっていただきたいんだけどなあ。これでそのチャンスも遠のいてしまって、『鹿男あをによし』ファンの一人としては残念ですが、“いずれ”直木賞とると信じています。
うちの親サイトでやっている企画「大衆選考会」で、『絵子』の頃からお名前が挙がっていた三田完さんが、今回、本物の直木賞の候補になられて、なんだか我がことのように嬉しい管理人です。『俳風三麗花』みたいな楽しい小説、また読んでみたいです。
まだまだこの先、いくらでも受賞のチャンスのありそうな、森見登美彦さん、これからも『夜は短し歩けよ乙女』をしのぐような、ハチャメチャに面白い小説を生み出していってくださることを、読者の一人として待っています。
そして、北村薫さん。発表からまだ数時間しかたっていないのに、さまざまなブログ、掲示板などで、早くもファンの方々がたくさん書き込みしているこの思い、どうぞご覧になってください。次期以降、また候補に挙げられることがあるかないかは、わかりませんが、勝手にワタクシは、北村さんは“直木賞が逃した実力派人気エンターテインメント作家”のお一人だと確信しています。
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松井今朝子さんは、今回が3度目の候補。ワタクシはその3作しか拝読したことはないのですが、選評で「歌舞伎に詳しすぎて、かえって、そのことが小説を書くうえでの邪魔になっている」みたいなことを書かれているのを読むたび、そうかなあ?と思っていました。今後いろいろなジャンルを書いていかれる中でも、ワタクシみたいな歌舞伎オンチな者にも、その魅力がわかるような、ばりばりの歌舞伎小説を、また読ませてください。
ひそかにワタクシが注目しているのが、親サイトの「新情報」にも書いたんですけど、松井さんのホームページで、候補発表以後、ご本人が直木賞のことに一切触れていないこと(7月10日に新聞記者の取材を受けたことは書かれていましたが、直木賞の取材だったとは書いていないのが、また心憎いばかりです)。明日以降、松井さんがどんなふうに直木賞のことを書かれるのでしょうか。それとも、いつもどおり、晩ごはんのことや、日記や、時事ニュースのことのみで、貫かれるのでしょうか。
コメント欄に、読者の方からのコメントがあるから、それにはご対応なさるかとも思えますし。注目しています。
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最後に、各ニュースソースサイトでの、直木賞決定の速報ぶりを、まとめてみます。
上から早い順です。
日本文学振興会(主催者)……20時32分 朝日新聞……20時33分 読売新聞……20時33分 毎日新聞……20時54分 産経新聞……21時02分 時事通信……21時14分
あまたあるブログの一つ一つは、チェックしていません。すみません。
それと、2ちゃんねるの各板も、全部は見ていないのですが、日本文学振興会とほぼ同着ぐらいの書き込みもあって、さすが!と敬服しました。
うちの親サイトは……。朝日・読売よりもやや遅いぐらいでしたでしょうか。2番手とはいかなかったようで。まだまだですな。精進いたします。
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コメント
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>北村さんは“直木賞が逃した実力派人気エンターテインメント作家”のお一人だと確信しています。
という一文に吸い寄せられました!
そして、昨日のショックが少し癒されたのです。
デビュー以来北村氏を愛してやまない私としては、
今回の結果はとても残念でしたが、これからも北村氏を愛し続けます!
投稿: ぞうの耳 | 2007年7月18日 (水) 21時23分
ぞうの耳さん、
当ブログへの記念すべき最初のコメント、ありがとうございます。
北村薫さんにとっては、ぞうの耳さんを筆頭とした(!?)熱烈なファンのみなさんが、
こんなにたくさんいるんだということが、
今回の直木賞を経て、よりハッキリとわかっていただけたのではないでしょうか。
かの山本周五郎さんも、たしか言っておられましたよね。
文学賞をとることなんかよりも、多くの読者の人たちから評価されるほうが、よっぽど重要だと。
北村さんが今後、直木賞の候補になろうとも、ならなくとも、
ぜひまた、うちのブログや親サイトに、お越しください。
投稿: P.L.B. | 2007年7月18日 (水) 22時10分