第139回直木賞(平成20年/2008年上半期)決定の夜に
中村彰彦理論またまた的中。って言って通じる人は、残念ながらワタクシの友人にはいないんですが、今晩、第139回(平成20年/2008年・上半期)直木賞が決まりました。
さて今回も、拙ブログではエントリー書かせてもらいます。受賞とはいかなかったけれど、楽しい読書体験をもたらしてくれた候補者の方々に感謝を込めまして。
荻原浩さんがもし直木賞をこのままとれないで、数十年がたったら、きっと未来の読者の多くが、あれ、この人ってとってなかったっけ? と首をかしげることになると思います。個人的には過去3度の候補で、今回の『愛しの座敷わらし』がいちばん受け入れられそうに思いましたけども。今の選考委員のラインナップと、どうにも相性が悪いんですかねえ。まあ、たった数人の年長者に認められなくても、荻原さんにはン万人(?)のファンが付いていますから、今後、何の心配もないはずです。
新野剛志さん。ミステリーファンの一人としては、もし今後、新野さんが直木賞の舞台に関わることがあるなら、ぜひミステリーで、と期待してしまいますが、それはともかく、新野さんなりの「格好いい小説」をとことん突き詰めていかれることを、祈っています。“こんなふうな作品書けば、直木賞とれますよ”みたいな、編集者のミスリードにひっかからないでくださいね。
いつもいつも「直木賞」の枠組みのなかで醸し出す異質さが好きです、三崎亜記さん。五木寛之さんがいつも好んで使うセリフ、「この作家は直木賞をとらないところに栄光がある」は、確かに慰めでも何でもなく、三崎さんの作風にハマります。とれたら快挙、とれなくてもキラリ輝く、稀有な作品を、これからも引き続きお願いします。
このあいだ候補になった『火天の城』が評判高すぎましたからね、山本兼一さんに期待する選考委員のハードルは、そうとう高いところに設定されているんでしょう。まあ、そのハードルを越そうが越すまいが、兼一さんの進んでいく足取りに、大した影響はないと信じます。“こんなふうな作品書けば、直木賞とれますよ”みたいな、編集者のミスリードにひっかからないでくださいね。って、くどいですか。
「歴史好きというより戦国時代好き」とおっしゃる和田竜さんのことは、ときどき時代小説も読む読者の一人として、ものすごく応援したくなります。ツーカイな小説、大歓迎です。これから他の出版社からも次々お声がかかるでしょうけど、またいつか、小学館から小説出して、それで直木賞なんかとっちゃって、より一層の「ツーカイさ」を振りまいてください。
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井上荒野さんが直木賞をとって、何が嬉しいといって、やはり作家歴の長さの割りには、文学賞というスポットライトの当てられるタイミングがあまりなかった方に、ようやくその順番が回ったことです。長年ひとつの道で研鑽を積めば、注目が向くこともあるのだ、と他人事ながら何だかホッとする思いです。さあ、これで「フェミナ三人娘」の二人まで直木賞を受けて、残るは今後の木村英代さんの活躍に期待だあ。
親サイト「直木賞のすべて」でも、ポロッとつぶやきましたけど、直木賞の流れから見れば女性上位時代いまだ崩れず。とはいえ、男性作家の小説が全然つまらないか、っていうと全然そんなことないのは、読書好きの同志なら、うなずいてくれますよね。そう考えると、直木賞の歴史的流れと、小説界全般の潮流とは、まったく別ものだし、過去の直木賞を語るときも、その前提だけは崩さずに考察していきたいなあ、と改めて思わされました。
ええと、芥川賞については……ワタクシはよくわからないので、コメントしません。まあ、鬼のように蛇のように、わんさか突っ込まれるだろうなあ。
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