カテゴリー「ニュース」の5件の記事

2009年7月15日 (水)

第141回直木賞(平成21年/2009年上半期)決定の夜に

 妥当でおだやかで、当然のごとくの決定を目のあたりにした今夜。13年半にわたる一人の作家さんの道のりを、しみじみと勝手に噛み締める夜。

 と、その前に。まずなすべきことがあります。ほかの5人の作家の方々だって、受賞作家に負けず劣らず、至福の読書体験を与えてくれました。そのことにお礼のことばを述べるのを、忘れるわけにはいきません。

 西川美和さんが、映像によるストーリーを愛する人たちだけじゃなく、それより断然少数派(ですよね?)の、活字中毒者たちに向けても、その才能を使ってくれて、うれしいかぎりです。『ディア・ドクター』の原案とか言いながら、原作でもなんでもなく、それぞれの小説が独立した活字の物語になっているところが、よけいにキュンときます。映画に比べりゃ、ちっぽけな市場だと思いますけど、まあ、今後もぜひ相手してください。

 貫井徳郎さんの『乱反射』は、正直ワタクシは、今回直木賞とれるんじゃないか、と思っていました。もしこれがとったら、近いうちにあの黄色いカバーが書店を席巻して、ン十万人の読者たちが、「直木賞受賞作」の名前だけで、どれどれと軽い気持ちで買っていって、その多くの人が、ガツーンと延髄斬りを叩き込まれた気分になるんだろうな、いひひひ。と、ひとりほくそえんでいました。……実現されずに残念です。

 葉室麟さんの未来は明るい、ということが今度の選考結果ではっきりしました。葉室さんはやっぱ、描く世界からして作風からして、コツコツ実績積み上げ型だったんですね。一発で選考委員をうならせることはできないかもしれない、けれど、何作も何作も繰り出すうちに、ボディブローのように効いてくる、そしていつかは受賞してしまう、っていうあの型です。ですよね、藤沢周平さんも乙川優三郎さんも、そうでしたもん。

 ほっ、とワタクシが安堵したのは、万城目学さんのことを考えてのことではありません。『別冊文藝春秋』誌のことを、心から心配していたからです。『別冊文春』には、一度、直木賞なんちゅう化けものから離れてほしいのです。しばらく「うちの雑誌からは絶対に直木賞候補なんか出さない」ってな気持ちで、編集してみたら、全然ちがうテイストが滲み出てきて、強い雑誌になりそうな気がします。……それにしても直木賞は、またもや万城目さんをタネに新風を吹かせるチャンスを、みすみす逃してしまったんですねえ。惜しいことでした。

 道尾秀介さんは、たぶん大丈夫だと思いますが、2度も連続で候補に挙がっちゃったりすると、直木賞のせいで道尾さんの視線がブレちゃうんじゃないか、とヒヤヒヤします。絶対に直木賞のチョッカイなどに惑わされず、おのれの世界を突き進んでくださることを一読者として切に祈ります。「直木賞のほうが将来そうとう変わらなきゃ、とうてい道尾さんの受賞なぞないぜ」、ってなぐらいの路線を突っ走るのが、きっと道尾さんにはお似合いです。都筑道夫さんのように。

          ○

 2年前、第137回(平成19年/2007年・上半期)で『玻璃の天』が選ばれなかったとき、その夜、ワタクシは書きました「勝手にワタクシは、北村さんは“直木賞逃した実力派人気エンターテインメント作家”のお一人だと確信しています」と。これまで北村薫さんには、13年半にわたって、作品そのものとは関係ない部分で、ワタクシら読者(とかマスコミとか文春とか)に付き合ってくださって、ハラハラドキドキたのしませていただきました。すべて、北村さんがキレずに我慢して、候補の打診を受けつづけてくださったからこそです。ほんと、感謝です。

 それにしても『スキップ』や『ターン』の頃から、北村さんを受賞者リストに加えるまでに、なんとまあ、直木賞は13年半もかかっちゃいましたか。あーあ。あまりに遅すぎて、直木賞を叱る気力もわきません。逆に慰めたい気分です。直木賞君よ、たしかにきみは鈍足だ。でも鈍足には鈍足なりのかわいらしさがあるさ。

 受賞作『鷺と雪』が、これからもっともっと多くの人の手に届くのは、いいことです。でも、どう考えたって、『街の灯』と『玻璃の天』と、それから『鷺と雪』というふうに三つ連作で読まないと、せっかくの受賞作もぞんぶんに楽しめないんだと思います。ってことで、これから読まれる方に、お節介なアドバイスをするとすれば、この3冊完結でもって北村さんは直木賞を受賞したのだと理解して、三つともお読みください。

 ……って、あらら、完全に文藝春秋の術中にハマっちゃっているわ。悔しいけど、今度もまんまと文春にハメられちゃったよ。

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2009年1月15日 (木)

第140回直木賞(平成20年/2008年下半期)決定の夜に

 めでたくお二人が同時受賞。パチパチパチ。これが「高いレベルの作品が二つあって甲乙つけがたかった」のか「一本に決められるような強烈な一作がなく、二本を合わせて一本」だったのかは、いずれ明らかになるでしょう。

 そうは言っても、受賞できなかった他の4作が、あなたにとって、ワタクシにとって、これら受賞作に質で劣っているわけじゃないことは、あらためて噛み締めたいところです。

 恩田陸さんが次つぎと繰り出す、チャレンジ精神あふれる数々の作品。ン万人(ン十万人?)の固定読者を得ている、それだけで世間的な評価をしめすに十分です。今も、そしてこれからも、「恩田陸が直木賞をとることによって彼女の名がさらに上がる」のでなく、「恩田陸が直木賞をとることによって直木賞の名がさらに上がる」立場におられます。立派なことです。

 北重人さんの時代小説、ワタクシは個人的には好きだけどなあ。「こういうタイプの小説は、ほかにいくらでもある」とか思われちゃったのかなあ。凝ったしかけで挑んだ山本兼一さんの作品の前では、弱々しく見えちゃったのかも。でも北さんのファンは確実に増えているはずです。今回、候補になったことでさらにファンが増えたことを祈ります。

 葉室麟さんがつむぎ出す、ひきしまった文章と作品世界には、ほれぼれします。『いのちなりけり』では、おそらく葉室さん世代かそれ以上の読者たちの心をぎゅっとつかんだことでしょう。今後も、そういう“大人な”方たちにとって魅力的な作品を書き継がれるいっぽうで、われら若輩者が「こりゃあ参った」と降参するような作品を、ぜひ書き続けてください。

 ああ、今度も直木賞は、新参者にきびしかったですか。でも、道尾秀介さんがになっている期待は、きっと大きいはずです。まさか道尾さんが、直木賞を意識して小説を書くことなんてあり得ないと信じています、その無限にひらかれた未来に向かって、「直木賞っぽくない」驚愕を、がんがん生み出してほしいと思っています。

          ○

 なんだかんだとヒネくれた視点は抜きにして、ともかく7年かけて完成させたお仕事が認められて、天童荒太さんには、祝福はもちろん、ねぎらいの気持ちでいっぱいです。お疲れさまでした。『悼む人』、やっぱり天童さんにしか書けないオリジナリティあふれる作品でした。……そして、うちの親サイトの「作家の群像」ページでは、要らぬ情報まで載せてしまっていて申し訳ございませんでした。

 やったぜ、ヤマケンさん。山本兼一さん、そしてPHP研究所にて文芸にたずさわっている皆さま、その真摯な思いが、決して派手ではなくてもきっちり選考委員の方々に伝わって、勝手に嬉しい思いです。これで、もっと『利休にたずねよ』が売れるはずで、ほんとよかった。そして往年の「利休もの」直木賞作、今東光さん『お吟さま』がどこかの版元から復刻されて、いっしょに書店に並べられたらいいな。……あ、さらに「利休もの」の先駆、海音寺潮五郎さんの「天正女合戦」を収録したあのアンソロジーも、よろしく。

          ○

 今回は直木賞も、もうひとつの賞も、3度めの候補の方が仲良く受賞でしたか。「直木賞をねらうような作家は、何度も候補に挙げられるようでなければいけない」みたいな意味のことを言ったのは、かつての選考委員、村上元三さんですけど、別にそれが「正しい直木賞のかたち」ってわけじゃないんだけどな。むかしは「過去の業績なんて関係ない」と一貫した考えを持っていた委員もいたわけですし。ねえ。城山三郎さんとか。あ、でもその考えがやっぱり選考会の空気に合わずに、選考委員やめちゃったのか。選考委員のみなさんは、どうしても業績がお好きなんですかねえ。

          ○

 さらに、おめでたい夜に、あまり水を差したくないんですけど、芥川賞・直木賞の受賞作に、今度もポロッと文藝春秋の作品が入ってしまいましたね。ワタクシの口から言うのも何なので、今日は、御社の先輩編集者、高橋一清さんにビシッとお叱りいただきましょう。

「私が(引用者注:日本文学振興会の)事務局長をつとめている頃、

「自社ものは二回に一回は目立つ。三回に一回くらいがいい」

 と何かにつけて口にした。そのくらいの度量でないと、賞は続かない。毎回、自社ものを受賞させたりする賞があるが、これでは社内の担当者功労賞になってしまい、賞として世間から信頼を得ることはできない。」(平成20年/2008年12月・青志社刊『編集者魂』所収「「芥川賞・直木賞」物語」より)

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2008年7月15日 (火)

第139回直木賞(平成20年/2008年上半期)決定の夜に

 中村彰彦理論またまた的中。って言って通じる人は、残念ながらワタクシの友人にはいないんですが、今晩、第139回(平成20年/2008年・上半期)直木賞が決まりました。

 さて今回も、拙ブログではエントリー書かせてもらいます。受賞とはいかなかったけれど、楽しい読書体験をもたらしてくれた候補者の方々に感謝を込めまして。

 荻原浩さんがもし直木賞をこのままとれないで、数十年がたったら、きっと未来の読者の多くが、あれ、この人ってとってなかったっけ? と首をかしげることになると思います。個人的には過去3度の候補で、今回の『愛しの座敷わらし』がいちばん受け入れられそうに思いましたけども。今の選考委員のラインナップと、どうにも相性が悪いんですかねえ。まあ、たった数人の年長者に認められなくても、荻原さんにはン万人(?)のファンが付いていますから、今後、何の心配もないはずです。

 新野剛志さん。ミステリーファンの一人としては、もし今後、新野さんが直木賞の舞台に関わることがあるなら、ぜひミステリーで、と期待してしまいますが、それはともかく、新野さんなりの「格好いい小説」をとことん突き詰めていかれることを、祈っています。“こんなふうな作品書けば、直木賞とれますよ”みたいな、編集者のミスリードにひっかからないでくださいね。

 いつもいつも「直木賞」の枠組みのなかで醸し出す異質さが好きです、三崎亜記さん。五木寛之さんがいつも好んで使うセリフ、「この作家は直木賞をとらないところに栄光がある」は、確かに慰めでも何でもなく、三崎さんの作風にハマります。とれたら快挙、とれなくてもキラリ輝く、稀有な作品を、これからも引き続きお願いします。

 このあいだ候補になった『火天の城』が評判高すぎましたからね、山本兼一さんに期待する選考委員のハードルは、そうとう高いところに設定されているんでしょう。まあ、そのハードルを越そうが越すまいが、兼一さんの進んでいく足取りに、大した影響はないと信じます。“こんなふうな作品書けば、直木賞とれますよ”みたいな、編集者のミスリードにひっかからないでくださいね。って、くどいですか。

 「歴史好きというより戦国時代好き」とおっしゃる和田竜さんのことは、ときどき時代小説も読む読者の一人として、ものすごく応援したくなります。ツーカイな小説、大歓迎です。これから他の出版社からも次々お声がかかるでしょうけど、またいつか、小学館から小説出して、それで直木賞なんかとっちゃって、より一層の「ツーカイさ」を振りまいてください。

          ○

 井上荒野さんが直木賞をとって、何が嬉しいといって、やはり作家歴の長さの割りには、文学賞というスポットライトの当てられるタイミングがあまりなかった方に、ようやくその順番が回ったことです。長年ひとつの道で研鑽を積めば、注目が向くこともあるのだ、と他人事ながら何だかホッとする思いです。さあ、これで「フェミナ三人娘」の二人まで直木賞を受けて、残るは今後の木村英代さんの活躍に期待だあ。

 親サイト「直木賞のすべて」でも、ポロッとつぶやきましたけど、直木賞の流れから見れば女性上位時代いまだ崩れず。とはいえ、男性作家の小説が全然つまらないか、っていうと全然そんなことないのは、読書好きの同志なら、うなずいてくれますよね。そう考えると、直木賞の歴史的流れと、小説界全般の潮流とは、まったく別ものだし、過去の直木賞を語るときも、その前提だけは崩さずに考察していきたいなあ、と改めて思わされました。

 ええと、芥川賞については……ワタクシはよくわからないので、コメントしません。まあ、鬼のように蛇のように、わんさか突っ込まれるだろうなあ。

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2008年1月16日 (水)

第138回直木賞(平成19年/2007年下半期)決定の夜に

 あくまで無機質に、かつ冷静に情報を集めて掲載していくのが、サイト「直木賞のすべて」の務めなはずなのに、ついつい半年に一度、舞い上がってしまって、だらだら書いてしまう管理人を、どうぞお許しください。

 今日のお題はもちろん、今晩決まった第138回(平成19年/2007年・下半期)直木賞について。

 井上荒野さん。たしかに知名度の点では、今回の候補者の中できっと“逆”1、2位を争っていたと思いますが、その分、井上さんの作品にまだ出会っていない潜在的読者がたくさんいる、ってことですよね。未来は無辺に広がっています。死ぬまで(死んでからも)まとわりつく“○○さんの娘”のレッテルに負けず、どうか思いっきりエンタメ作家の道を歩んでください。

 黒川博行さん。この方の名前が、受賞者一覧に加われば、直木賞の性質のうちのひとつ、“直木賞って何でもアリなんだな”というワタクシの好きな“雑食性”が、ますます濃くなるはずだったのに……。ただただ残念です。直木賞はまだまだ、黒川さんレベルの小説に追いつけていないってことでしょう。

 古処誠二さん。受賞ならずとも、3度も候補に挙がったことで、信じた道を突き進めば、いつか誰かに認められる(こともある)、と教訓を学んだような気がします。そして、そういう事例を目の当たりにして、今度もチロリと勇気をもらいました。ありがとうございます。

 うーん。佐々木譲さんには甚だ迷惑なおハナシだと思いますけど、ここで佐々木さんを選ばなかったことは、直木賞の選考の歴史に、たしかに一つの足跡が残されました。ベテラン作家の作品を、臆面もなく落とす、という足跡が。第100回(昭和63年/1988年・下半期)のときの選考と同様、今回の選考も、きっと何十年後かに、正しかったか間違っていたかが判明するでしょうから、それまで生きていたいな。

 馳星周さん。もちろん、『不夜城』の時点で、今の馳さんの活躍を見通せなかった選考委員の誰それの責任ではあるのですが、今はそれを言いますまい。今後も馳さんの世界をどんどん拡大させていってくださることを、期待しています。

          ○

 桜庭一樹さんの生み出してきた世界の、ほんの一端しかワタクシは触れていませんが、一つの場所にとどまらず、きっとさまざまな冒険を小説に託してくださる方だと、勝手にお見受けしております。受賞されたことで、きっとまわりの編集者から妙な誘導をされることもなくなり、さらに、さらに、新たな試みがしやすくなるんじゃないかな、などと早くも期待してしまうのです。わがままな読者で、ほんとすみません。

 いちおう、直木賞オタクとしては、直木賞史のなかでの視点も、ちらっと持たざるを得ないんですけど、不死鳥のごとき『別冊文春』伝説よふたたび(余聞と余分エントリー『文蔵』を参照のこと)、ってところでしょうか。

 ともかく、大森望さん、豊崎由美さん、久々の(はじめての?)的中でおめでとうございます。これで“万年はずし屋”の汚名をそそぐことができて、ほんとによかった(って、ちょっとイヤミ)。

 あ、それと新潮社、講談社の関係者のみなさま。これで桜庭一樹さんを、山周賞吉川新人賞の候補にするのはやめよう、などとは絶対に思わないでください、と心からお願いしておきます。“直木賞が新人賞の最高峰”なんちゅう戯れ言を、いったいいつ誰が言い出したのか、寡聞にして知りませんけど、あなた方がそんな妄言に影響される必要など、これっぽっちもありません。“直木賞作家? なんぼのもんじゃい”ぐらいの気概で、ぜひ、両賞を運営していただきたいと、一傍観者からのお願いです。

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2007年7月17日 (火)

第137回直木賞(平成19年/2007年上半期)決定の夜に

 さすがにブログっぽいことし始めたからには、こういう日には“週イチ”の掟を破って、何か書いてもいいのじゃないか、と自分自身に言い聞かせ、今晩決まった第137回(平成19年/2007年上半期)直木賞のこととか、書き残しておきたいと思います。

 まずは、今回受賞に至らなかった候補のことについて。

 桜庭一樹さん、あなたの勇姿は常にン十万の熱きラノベラーたちが、温かく見守っています。『赤朽葉家の伝説』での大ブレイクは、実にお見事でした! 遅ればせながらワタクシも、桜庭さんの作品に出逢えて幸せです。

 畠中恵さん。時代小説だけの枠におさまるような方ではないと、勝手にお見受けしていますが、畠中さんでしか醸し出せない新たな時代小説の世界をぜひ切り拓いていってください。

 万城目学さんには、本屋大賞をはじめ他のいろんな文学賞よりも先に、直木賞をもらっていただきたいんだけどなあ。これでそのチャンスも遠のいてしまって、『鹿男あをによし』ファンの一人としては残念ですが、“いずれ”直木賞とると信じています。

 うちの親サイトでやっている企画「大衆選考会」で、『絵子』の頃からお名前が挙がっていた三田完さんが、今回、本物の直木賞の候補になられて、なんだか我がことのように嬉しい管理人です。『俳風三麗花』みたいな楽しい小説、また読んでみたいです。

 まだまだこの先、いくらでも受賞のチャンスのありそうな、森見登美彦さん、これからも『夜は短し歩けよ乙女』をしのぐような、ハチャメチャに面白い小説を生み出していってくださることを、読者の一人として待っています。

 そして、北村薫さん。発表からまだ数時間しかたっていないのに、さまざまなブログ、掲示板などで、早くもファンの方々がたくさん書き込みしているこの思い、どうぞご覧になってください。次期以降、また候補に挙げられることがあるかないかは、わかりませんが、勝手にワタクシは、北村さんは“直木賞逃した実力派人気エンターテインメント作家”のお一人だと確信しています。

          ○

 松井今朝子さんは、今回が3度目の候補。ワタクシはその3作しか拝読したことはないのですが、選評で「歌舞伎に詳しすぎて、かえって、そのことが小説を書くうえでの邪魔になっている」みたいなことを書かれているのを読むたび、そうかなあ?と思っていました。今後いろいろなジャンルを書いていかれる中でも、ワタクシみたいな歌舞伎オンチな者にも、その魅力がわかるような、ばりばりの歌舞伎小説を、また読ませてください。

 ひそかにワタクシが注目しているのが、親サイトの「新情報」にも書いたんですけど、松井さんのホームページで、候補発表以後、ご本人が直木賞のことに一切触れていないこと(7月10日に新聞記者の取材を受けたことは書かれていましたが、直木賞の取材だったとは書いていないのが、また心憎いばかりです)。明日以降、松井さんがどんなふうに直木賞のことを書かれるのでしょうか。それとも、いつもどおり、晩ごはんのことや、日記や、時事ニュースのことのみで、貫かれるのでしょうか。

 コメント欄に、読者の方からのコメントがあるから、それにはご対応なさるかとも思えますし。注目しています。

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