カテゴリー「まもなく選考会」の27件の記事

2017年7月16日 (日)

第157回直木賞、受賞が話題になる可能性を予想する。

 毎年7月のこの季節、直木賞に関するハナシのなかで、大量に使われる単語があります。「話題」ってやつです。

 話題の受賞作、話題の作家。話題づくりのためにやっている賞、昔に比べて話題にならない。ほら話題だ、また話題だ、話題、話題。……おそらくこの季節は全国各地で、話題ノイローゼになってしまう直木賞ファンが数多く発生し、堪えきれずに目をおおったり、耳をふさぎたくなったりする症状に悩まされる人は多い、とはよく聞くところです。

 今回の第157回(平成29年/2017年・上半期)は7月19日に選考会がひらかれます。いまのところは、一般的な盛り上がりに欠けていて、このままほとんど話題になりそうもない、などと言われていますが、たしかにパッと見、この候補者・候補作のラインナップですと、受賞の(落選の)結果で盛り上がれるのは、よほどの変わり者(あるいは少数派のグループ)ぐらいで、あまり広がりは期待できそうにない気がします。

 まあ、よほどの変わり者のひとりとして言わせてもらうなら、それならそういう直木賞でいいわけですけど、しかしやはり、直木賞に「話題」は付きものだ、というのは間違いありません。

 せっかくなので、今回どの作品が受賞すれば話題が期待できそうか(逆に、期待できなそうか)予想してみたいと思います。

 

予想:100

■柚木麻子『BUTTER』(平成29年/2017年4月・新潮社刊)

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 文芸分野とは離れたところでの、いわゆる一般的な話題性で突出している候補作は、『BUTTER』をおいて他にない。というのは、衆目の一致するところだと思います。

 モデル小説というだけでもかなりの高得点が稼げるうえに、じっさいのモデルから公然とケチをつけられ、「不法行為本」だと非難されている最中でもあります。その木嶋佳苗さんは、19日の選考結果を待つ、とブログに書いているくらいですから、これが受賞したら増刷もされるし、いまとは比較にならないくらい、この小説に興味をもつ人が増えるはずで、さすがに「おめでとう」と温かく祝福するとは思えず、より踏み込んだ手を打ってくるのかどうなのか、少なくとも読み物小説誌や新聞に紹介されるぐらいで騒ぎが収束するとは、とうてい考えられません。

 そんなことをしてまで本を売りたいか直木賞……、と眉をひそめる人たちが沸いて出てくる一方で、それでも本を買う人たちの購買行為を止めることはできませんから、直木賞史上でもまれに見る大騒動に発展する可能性を秘めている。ということで、100点満点の話題性予想です。

 あ、もうひとつ100点にした理由を挙げるとすると、受賞記者会見の、柚木さんの衣裳や振る舞いがまた、注目どころだからです。これが4度目の候補、欲しいはずの直木賞がなかなかめぐってこなかったなかで、ようやく受賞したときに、どんなふうに弾け飛ぶのか。田中慎弥さんぐらいのインパクトある発言、言動は、少なくとも期待できると思います。

 

予想:50

■宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』(平成29年/2017年4月・KADOKAWA刊)

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 なにせ今回は、話題性への期待が一作だけ突出しています。他は横並び、かもしれませんが、とりあえず「受賞したあとの解説記事の多彩さ」が期待できる、という面で『あとは野となれ~』を二番目においてみました。

 まずは何といっても、SFと直木賞のあいだに、これまで交わされてきた血なまぐさい(?)歴史があります。宮内さんが受賞したら、やっぱりこの交差・交戦のあれこれについて、解説記事が書かれるでしょうし、ワタクシも読みたいです(昔の現場の証言などと合わせて書いてくれそうな人材も、きっと豊富です)。

 あるいは、直木賞と芥川賞の、両賞の差や違い。なんていうのも、かなり歴史の深いテーマですが、おそらくここら辺の切り口から触れてくれるライターや文芸記者はたくさんいるでしょう。

 それと似たテーマですが、吉川新人賞→三島賞→直木賞、とこの三賞をたった数か月でわたり歩いて受賞したことをもとに、現代のエンタメと純文芸、みたいな視点にスポットが当たることも、容易に想像できます。これはこれで、語りたい人も多いでしょうし、面白い記事になるだろうと、期待感でソワソワしてしまいます。

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2017年1月15日 (日)

まもなく平成28年/2016年度の出版界のお祭りなので、5つの小説の順位を予想する。

 今週は、みなさんごぞんじの大きな文学賞イベントがあります。この時期、日本中の小説好きたちが、ほぼ全員そこに注目している、と言ってもいいでしょう。

 なので、通常のブログテーマはひとまずお休み。ここはストレートに、その賞のゆくえを展望するような、予想のハナシでいこうかと思います。

 そうです。1月18日(水)が、いよいよ目前にせまってきました。毎回、数多くの読書家たちがかたずをのんで、その発表の瞬間をドキドキしながら待ち望む、出版界最大のイベント。本屋大賞のノミネート作品発表です。

 すでにネット上では、mmmichyさんをはじめ、いったいどの作品がノミネート作に選ばれるのかと、予想につぐ予想で盛り上がっていますが、それはもう、あらためて紹介するまでもありません。ワタクシのまわりにも、「この日を楽しみに一年を過ごしてきたんだ!」という人が、たくさんいます。もはや世間は、本屋大賞の話題でもちきりです。

 本屋さんたちが、どんな作品を選ぶのか。そして、自分の好きな小説が、どのくらいの順位になるのか。想像するだけで、期待と不安で胸がはちきれそうです!

 ということで、うちのブログでも、本屋大賞の順位を予想してみよう。と思ったんですが、なにしろこっちは、世間の本屋さんほど、たくさん小説を読んでいるわけじゃありません。ふとまわりを見回したところ、いまワタクシの机のうえに、たまたま小説が5冊置いてあったものですから、とりあえず、これらについてだけ、どのくらいの票が入りそうか予想することにしました。

■恩田陸『蜜蜂と遠雷』(平成28年/2016年9月・幻冬舎刊)

予想 1次投票1位→最終3位
過去のランキング(1次投票)→最終
2005年 1位)→1位 『夜のピクニック』
(43位) 『Q&A』
(164位) 『蛇行する川のほとり』
2006年 (48位) 『蒲公英草紙 常野物語』
(55位) 『ネクロポリス』
2007年 19位 『チョコレートコスモス』
(54位) 『中庭の出来事』
2008年 (113位) 『木洩れ日に泳ぐ魚』
2009年 (115位) 『きのうの世界』
(178位) 『不連続の世界』
2010年 (64位) 『ブラザー・サン シスター・ムーン』
(85位) 『訪問者』
2011年 (239位) 『私の家では何も起こらない』
2012年 (89位) 『夢違』
2014年 (291位) 『夜の底は柔らかな幻』
2015年 (243位) 『雪月花黙示録』
2016年 (156位) 『消滅 VANISHING POINT』

 今年度の1位はこれなんだろうなあ。と思いながらも、さんざん迷いました。

 本屋大賞は、何だかんだで、もう14年目です。「この人は、前にも1位になっているし……」と考えて一票をためらうような投票者心理も、そろそろ薄れてきているものと思います。

 だけど、すんなり大賞をとるかと言うと、やはり不安が残ります。なにせ、この作品には、これから2次投票が締め切られるまでのあいだに、他の文学賞をとってしまう可能性がある、という最大の障壁があるからです。

 「すでに別の賞をとって注目されている小説に、重ねて授賞www 本屋大賞、終わったなwww」などと、みんなからガンガン叩かれることが目に見えているのに、票を投じることのできる勇気ある書店員が、いったいどのくらいいるんでしょうか。それを考えると、平和に生きていきたい本屋さんもけっこういると思うので、最終的には、多少順位を落とすのではないか、と思いました。

■森見登美彦『夜行』(平成28年/2016年10月・小学館刊)

予想 1次投票4位→最終4位
過去のランキング(1次投票)→最終
2005年 22位 『太陽の塔』
2006年 (33位) 『四畳半神話大系』
2007年 2位)→2位 『夜は短し歩けよ乙女』
20位 『きつねのはなし』
2008年 3位)→3位 『有頂天家族』
16位 『新釈 走れメロス 他四篇』
2009年 (67位) 『美女と竹林』
2010年 16位 『恋文の技術』
17位 『宵山万華鏡』
(132位) 編『奇想と微笑 太宰治傑作選』
2011年 3位)→3位 『ペンギン・ハイウェイ』
2012年 (105位) 『四畳半王国見聞録』
2014年 9位)→9位 『聖なる怠け者の冒険』
2016年 20位 『有頂天家族 二代目の帰朝』

 これも、上位のランクインは固いですよね。当然かもしれません。

 本屋大賞の前哨戦ともいわれるのが「キノベス!」ですけど、そちらでも着実に4位につけていました(ちなみに『蜜蜂と遠雷』は第3位)。当然、大量の部数がすでに市場に出まわってもいて、逆にこれが上位に挙がらなきゃおかしい、というくらいの評判作です。

 いよいよ森見さん、大賞ウィナーの仲間入りか! と期待しているところですが、そうは単純に着地しそうにない世界観が、この作品の魅力だとも思います。

 「これまでの実績を加味して」とかいう、腐りきった投票行為が許されるような文学賞とは違って、本屋大賞は、ひとつひとつの作品に対する判断と推薦が基本(……ですよね?)。ひきこまれる読者にとっては絶品でも、そうでもない人にとってはそうでもない、という森見作品の長所が存分に発揮された作品と見て、少し遠慮して4位と予想しました。

■須賀しのぶ『また、桜の国で』(平成28年/2016年10月・祥伝社刊)

予想 1次投票19位
過去のランキング(1次投票)
2010年 (72位) 『芙蓉千里』
2011年 (64位) 『神の棘』
2015年 (190位) 『ゲームセットにはまだ早い』
2016年 (35位) 『革命前夜』
(72位) 『紺碧の果てを見よ』
(142位) 『雲は湧き、光あふれて』

 うーん、難しい。

 難しいので、去年の『革命前夜』の得票を参考にしました。そして、それよりは上に行ってもいいじゃないかと、ワタクシの希望も込めてトップ20入り、という予想です。

 祥伝社の本は、これまであまりトップ20に入ったことがなく、平成20年/2008年度(森見さんの『新釈 走れメロス 他四篇』)から8年も出ていない、というのが気がかりではありますが、そういうこととは関係なく、書店員さんはしっかりこの作品を評価して、投票しているはずだ。投票していてほしい。と信じたいです。

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2016年7月17日 (日)

第155回(平成28年/2016年上半期)の話はやめて、昔の直木賞の話だけにします。

 7月19日まであと2日になりました。今週は、第155回(平成28年/2016年上半期)の予想や展望、でも書こうかなと思ったんですけど、好きで小説を読んでいるだけのド素人が、語れるようなことは、とくにないです。

 まあ、ふつうに考えたら今回は、これぞ!という強力な作品の見当たらない、凪の戦い。と言いますか、おおむね(一般的な)盛り上がりに欠ける、要するに直木賞にとってはいつもどおりの、低温度な回だと思います。これで選考前から騒げるのは、よほどの変わり者にちがいありません。……って、変わり者で悪かったな。ほっといてください。

 こんなときには、無理に盛り上がろうとする必要、ないと思います。夕涼みがてら縁側にすわって、昔ばなしでもしながら、静かにお茶でも飲む。という楽しみ方ができるのが直木賞のよさで、さすが、だてに「ジジババたちの文学賞」と言われているわけじゃありません。自分がこれまで実際に見聞きしてきた回が増えれば増えるほど、賞の面白みが増していく。ということを年々実感しているワタクシは、もう完全なジジイです。

 どうせ何もしなくたって、新しい回は、じきに結果が出ます。ここは淡々と、昔を思い返しながら、当時の直木賞に思いを馳せる。直木賞って、それだけで十分に楽しいんですよね。予想とか展望とか、そういうの、正直、疲れるでしょ? 今日はジジイの茶飲みバナシです。

第134回(平成17年/2005年・下半期)平成18年/2006年1月発表

すでに人気者だった東野圭吾VS.伊坂幸太郎、直木賞の場で3度目の対決。しかも、どちらも文春の本ということで(何かよくわかんないけど)有利そうだぞ。と思われていたところ、渡辺淳一さんの反対票むなしく、東野さんがようやく受賞した回です。

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※会見で経緯説明をした選考委員:阿刀田高

受賞した候補:東野圭吾『容疑者Xの献身』

決選投票に残った候補:伊坂幸太郎『死神の精度』

比較的評価の高かった候補:恒川光太郎『夜市』

最初の投票で落ちた候補:恩田陸『蒲公英草紙』、姫野カオルコ『ハルカ・エイティ』、荻原浩『あの日にドライブ』

第136回(平成18年/2006年・下半期)平成19年/2007年1月発表

果たして、平成18年/2006年のベストセラー『一瞬の風になれ』が、熱い世間の声を反映して直木賞もとるだろうか。などと注目されましたが、決選にすら進めず。直木賞ってさ、何か世間とズレているよね、ということを、まざまざと露呈してしまいました。ちなみにこれがいまのところ、最後の「受賞なし」の回。9年半前のことです。

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※会見で経緯説明をした選考委員:阿刀田高

受賞した候補:なし

決選投票に残った候補:池井戸潤『空飛ぶタイヤ』、北村薫『ひとがた流し』、三崎亜記『失われた町』

最初の投票で落ちた候補:佐藤多佳子『一瞬の風になれ』、白石一文『どれくらいの愛情』、荻原浩『四度目の氷河期』

第139回(平成20年/2008年・上半期)平成20年/2008年7月発表

何よりも、候補作が発表されたあとに、「なんで伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』が候補に入っていないんだ!?」と、そこにいない人のことがいちばんの話題になったという、何とも悲しい回だったんですけど、「売れない小説を選ぶ」直木賞の伝統は、健在でした。

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※会見で経緯説明をした選考委員:平岩弓枝

受賞した候補:井上荒野『切羽へ』

決選投票に残った候補:山本兼一『千両花嫁』、和田竜『のぼうの城』

最初の投票で落ちた候補:新野剛志『あぽやん』、三崎亜記『鼓笛隊の襲来』、荻原浩『愛しの座敷わらし』

第144回(平成22年/2010年・下半期)平成23年/2011年1月発表

道尾秀介さん5期連続の候補から、いよいよ受賞! ということで、大きなスポットライトが当たる……かと期待されたんですが、だいたい話題は芥川賞にかっさわられまして、直木賞にしみついた生来の「地味さ」に、ワタクシは涙しました。

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※会見で経緯説明をした選考委員:宮部みゆき

受賞した候補:木内昇『漂砂のうたう』、道尾秀介『月と蟹』

決選投票に残った候補:(上記、受賞2作)

最初の投票で落ちた候補:犬飼六岐『蛻』、貴志祐介『悪の教典』、荻原浩『砂の王国』

第146回(平成23年/2011年・下半期)平成24年/2012年1月発表

いうまでもなく、この回も、受賞後の一般の関心は、芥川賞のほうが圧倒的に上。「受賞会見で何かやらかさないと本なんか売れないんだよね」とテキトーな感想をのべる人たちを尻目に、着実に(大量に)新作を発表しつづけている葉室麟さんのエラさが光ります。

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※会見で経緯説明をした選考委員:浅田次郎

受賞した候補:葉室麟『蜩ノ記』

決選投票に残った候補:桜木紫乃『ラブレス』

議論のすえ決選投票に残らなかった候補:伊東潤『城を噛ませた男』

最初の投票で落ちた候補:歌野晶午『春から夏、やがて冬』、恩田陸『夢違』、真山仁『コラプティオ』

第147回(平成24年/2012年・上半期)平成24年/2012年7月発表

新人のSFが直木賞候補に! なんてことで興奮したのは、おそらく一部の特殊人種、通称「SFファン」ぐらいなものだと思うのでスルーしますが(……いや、冗談ですよ)、この年の5月、山本周五郎賞で2作同時受賞まで検討された原田マハさん、辻村深月さんの両者が、ここでも接戦を演じました。

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※会見で経緯説明をした選考委員:桐野夏生

受賞した候補:辻村深月『鍵のない夢を見る』

決選投票に残った候補:原田マハ『楽園のカンヴァス』

最初の投票で落ちた候補:朝井リョウ『もういちど生まれる』、貫井徳郎『新月譚』、宮内悠介『盤上の夜』

第148回(平成24年/2012年・下半期)平成25年/2013年1月発表

戦後最年少の23歳受賞者が誕生し、これはさすがに、直木賞が話題を独占するでしょ。という臆測はもろくも打ち砕かれ、「芥川賞最高齢受賞」と合わせてセット、になってしまう展開に。……もはや直木賞は、そういう星の下に生まれた、としか言いようがありません。

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※会見で経緯説明をした選考委員:北方謙三

受賞した候補:朝井リョウ『何者』、安部龍太郎『等伯』

決選投票に残った候補:西加奈子『ふくわらい』

最初の投票で落ちた候補:有川浩『空飛ぶ広報室』、志川節子『春はそこまで』、伊東潤『国を蹴った男』

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2016年1月17日 (日)

第154回(平成27年/2015年下半期)がもうじき決まりますけど、直木賞って、とらないとどうなるんですか?

 あさって1月19日(火)、新たに第154回(平成27年/2015年下半期)直木賞が決まります。いつもこの日が近づくと、どんより暗い気持ちになってしまいます。

 直木賞をとると、にわかに注目され、世間で作家と認められ、その称号のおかげでまわりのみんなからチヤホヤされ、新作の注文が増え、原稿料も上がって、作家として一生暮らしていけることが保障されたも同然で、幸せになれるのだ。と、高校のとき、白髪まじりの国語の先生が言っていました。ということは、ですよ。直木賞がとれないと、とくに注目もされず、世間では作家と認められず、「落ちた人」の烙印をおされ、新作の注文も増えず、原稿料も上がらず、作家として暮らしていけずに路頭に迷い、不幸になる……ということになりますから、ワタクシの好きな作家が候補になればとくに、その落ちる姿をみるのがつらくて、憂うつになってしまうのです。

 それ以降ワタクシは、半年に一度、知りたい知りたくないにかかわらず、かならず報道される直木賞の日には、暗い思いを抱えながら、耳を手でふさいでやりすごしてきました。しかし、待ってください。あれ。自分の好きな落選候補者の、新作が減ったとか、不遇に扱われているとか、小説を発表できなくなったとか、どうもそんな感じがしないんですよね。

 あの国語の先生、当時60歳ぐらいで、若いころは何か有名な文芸同人誌に参加していたらしく、昔の作家や小説にやたら詳しくて、いつもエラそうに昔の思い出バナシを語っていました。直木賞は芥川賞とはちがって、その後に作家として活躍できるかどうかで選ばれている、とも言っていましたが……。

 直木賞をとるのと、とらないのとで、そんなに活躍度合いに違いが現われるもんなんでしょうか。

 試しに、半年前に発表された第153回(平成27年/2015年上半期)、受賞した東山さんが、よくテレビに引っ張り出されていたなあという印象はありますが、「本」というかたちで残った実績では、どうなんでしょう。

153回 平成27年/2015年7月発表~現在まで 半年
門井慶喜 5 単=1、単他=1、文=3
澤田瞳子 4 単=2、単他=1、文=1、文再=1
受賞 東山彰良 3 単共=1、単他=1、文=1
馳星周 2 単=1、文=1
柚木麻子 2 文=2
西川美和 1 文他=1
明細内訳は、単=単行本(主に小説)、文=文庫(主に小説)、他=小説以外、共=共著、再=新装・再文庫化等

 とろうがとるまいが、ほとんど影響が見られません。

 ……って当たり前か。たった半年じゃ何もわかるはずがありません。では、もうちょっと長めに延ばして、5年くらいさかのぼってみたら、どうでしょう。これなら、多少、当落の影響も出てくるんじゃないんですか。

 5年前といえば、平成23年/2011年1月発表の第144回(平成22年/2010年下半期)。道尾秀介さんが5期連続で候補になって、さすがにそろそろとりそうだと言われたりするなかで、道尾さんともうひとり、初候補の木内昇さんが、スーッと涼やかに受賞してしまったあのころ。ニコ生ではじめて記者会見の生放送が始まった伝説回といってもよく、若い女性がとればみんなそっちに目を奪われるはず、などという予想に反し、西村賢太さんがヒーローになってしまいました。すでになつかしさも漂います。

152回 平成27年/2015年1月発表~現在まで 1年
受賞 西加奈子 5 単他=2、文=2、文共=1
青山文平 3 単=1、文=2
大島真寿美 3 単=1、文=2
木下昌輝 1 単=1
万城目学 1 文共=1
151回 平成26年/2014年7月発表~現在まで 1年半
受賞 黒川博行 8 単=2、文=2、文再=4
貫井徳郎 7 単=1、単共=1、文=2、文再=3
柚木麻子 5 単=3、文=2
千早茜 4 文=4
米澤穂信 3 単=2、文=1
伊吹有喜 2 文=2
150回 平成26年/2014年1月発表~現在まで 2年
伊東潤 15 単=8、単他=2、文=5
柚木麻子 8 単=5、文=3
受賞 朝井まかて 7 単=3、文=4
受賞 姫野カオルコ 6 単=2、文=2、文再=2
千早茜 6 単=1、文=5
万城目学 2 単=1、文共=1
149回 平成25年/2013年7月発表~現在まで 2年半
原田マハ 21 単=9、単共=1、文=9、文他=2
伊東潤 20 単=10、単他=2、文=8
受賞 桜木紫乃 12 単=6、文=6
湊かなえ 13 単=6、文=7
恩田陸 11 単=4、単他=1、文=3、文他=1、文再=2
宮内悠介 4 単=2、文=2
148回 平成25年/2013年1月発表~現在まで 3年
有川浩 23 単=2、単共=3、単他=2、単再=4、文=6、文他=1、文再=5
伊東潤 22 単=11、単他=2、文=9
受賞 安部龍太郎 17 単=5、単共=2、単他=1、文=7、文再=2
西加奈子 12 単=2、単他=2、文=6、文共=1 →2年後に受賞
受賞 朝井リョウ 11 単=5、文=5、文他=1
志川節子 3 単=2、文=1
147回 平成24年/2012年7月発表~現在まで 3年半
原田マハ 29 単=11、単共=2、文=14、文他=2
受賞 辻村深月 19 単=6、単共=1、単他=1、文=8、文共=1、文他=2
貫井徳郎 15 単=5、単共=1、文=5、文他=1、文再=3
朝井リョウ 12 単=6、文=5、文他=1 →半年後に受賞
宮内悠介 5 単=3、文=2
146回 平成24年/2012年1月発表~現在まで 4年
受賞 葉室麟 50 単=26、単他=1、文=22、文他=1
伊東潤 29 単=14、単他=2、文=13
恩田陸 18 単=6、単他=1、文=8、文他=1、文再=2
桜木紫乃 17 単=8、文=9 →1年半後に受賞
真山仁 16 単=7、単他=1、文=5、文共=1、文再=2
歌野晶午 9 単=2、文=7
145回 平成23年/2011年7月発表~現在まで 4年半
葉室麟 54 単=29、単他=1、文=23、文他=1 →半年後に受賞
辻村深月 27 単=9、単共=1、単他=2、文=12、文共=1、文他=2 →1年後に受賞
受賞 池井戸潤 16 単=5、文=6、文共=1、文再=4
島本理生 14 単=5、単他=1、文=7、文他=1
高野和明 5 文=4、文共=1
144回 平成23年/2011年1月発表~現在まで 5年
受賞 道尾秀介 25 単=9、単他=1、文=13、文他=1、文再=1
荻原浩 21 単=9、単他=1、文=10、文再=1
犬飼六岐 17 単=9、文=8
貴志祐介 12 単=2、単他=2、単再=1、文=6、文再=1
受賞 木内昇 10 単=4、単他=1、文=5

 葉室麟さんって人はバケモノなのか! ……と一声、外に向かって叫んでから、いまパソコンの前に戻ってきました。

 とにかく他の受賞者と比べても、葉室さん、群を抜く猛烈な書きっぷりです。それこそ直木賞を受賞したおかげかもしれませんけど、でも、伊東潤さんだって原田マハさんだって、書ける人はどんどん書きまくっているんですよね。現実として、直木賞をとらなくたって、多くの人には発表の場が確保され、次々と新作を出しています。なあんだ、とらなくたって読者の立場で悲しむことなんて全然ないんじゃないか、と少し気持ちが晴れてきました。

 晴れてきたついでに、もう少し前にまで目を向けちゃいます。やりだすとキリがないので、「そんな昔のこと調べたって意味ないよ」と難クセつけられない程度に、以下この10年間の状況だけ挙げてみました。

 10年前、おぼえてますか。平成18年/2006年1月に第134回(平成18年/2006年下半期)が発表され、この回は、渡辺淳一さんが選考委員をしている以上、受賞はないものとさんざん言われていた東野圭吾さんのほか、伊坂幸太郎さんだの恩田陸さんだのが候補に挙がって、ソレ系の好きな軍団は大いに盛り上がり、時代小説ファンがさみしく涙したあの時代です。

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2015年7月12日 (日)

第153回(平成27年/2015年上半期)直木賞の発表を、まじめに予想する。

 今回の第153回(平成27年/2015年・上半期)直木賞は、7月16日(木)に最終選考会が行われます。

 1週間を切りました。例によって例のごとく、いま世間の話題は、事前の直木賞予想でもちきり……といったことは、とくにないようですけど、うちのブログとすれば、いったい今度の直木賞がどうなるのか! 毎度のことながら気になってしかたありません。いつもふざけたエントリーしか書いていませんが、今回は心を入れ替え、まじめに王道の予想をしてみたいと思います。

 いちおう、可能性順に、本命・対抗・大穴、をつけてみました。こういう予想の仕方に対しては、「競馬予想みたいで馬鹿ばかしい」などと(思いっきり競馬を差別している)感想をもつ人もいたりしますが、基本、直木賞って馬鹿ばかしいものじゃないですか。それに、直木賞予想でいま一般的に使われている用語でもありますので、ここでも、そのまま踏襲することにしました。

 以下、第153回直木賞の予想、およびその理由です。


◎本命 1940

1530740

 予想をするからには、やはり過去の直木賞の傾向を参考にしないわけにはいきません。他の予想士もみなさん、そうしていらっしゃいます。おそらく、もう見飽きた方も多いとは思うんですが、改めて過去の直木賞一覧を掲げておきます。最近の過去10回分です。

  • 第143回 19時22分(出席委員7名 受賞作:中島京子『小さいおうち』)
  • 第144回 19時28分(出席委員9名 受賞作:木内昇『漂砂のうたう』・道尾秀介『月と蟹』)
  • 第145回 19時24分(出席委員9名 受賞作:池井戸潤『下町ロケット』)
  • 第146回 18時54分(出席委員9名 受賞作:葉室麟『蜩ノ記』)
  • 第147回 19時23分(出席委員9名 受賞作:辻村深月『鍵のない夢を見る』)
  • 第148回 19時42分(出席委員9名 受賞作:朝井リョウ『何者』・安部龍太郎『等伯』)
  • 第149回 19時03分(出席委員9名 受賞作:桜木紫乃『ホテルローヤル』)
  • 第150回 19時12分(出席委員10名 受賞作:朝井まかて『恋歌』・姫野カオルコ『昭和の犬』)
  • 第151回 19時29分(出席委員9名 受賞作:黒川博行『破門』)
  • 第152回 19時33分(出席委員9名 受賞作:西加奈子『サラバ!』)

 要するに、平均的な発表時刻は、19時20分台だということです。

 人間が集中力を持続していられるのは、2時間ぐらいが限界。などと映画業界あたりで語られているのかどうなのか、ワタクシは知りませんが、選考会は17時00分に始まります。冒頭に、ちょっと司会から挨拶があったり、途中、選考委員がトイレに立って中断したり(2時間ぐらい我慢できないのか!などと責め立てないであげてください。委員のみなさん、高齢者です)の時間をさっぴき、それに終わったあとは飲みに行ったりもしなきゃいけないので(そっちが楽しみで出席する委員もいる、というのは多分デマ)、だいたい手頃なところで、2時間ちょっとで決まるのが通例なわけですね。

 ただ、今回は候補作に、読みでのある、重厚・濃厚・迫力のある作品がけっこうあります。江戸時代に実在した芸術家をめぐるアレとか、1970年代の台湾人青年の家族史・青春・恋愛を描いたアレとか。委員それぞれの評価を出し合い、意見を戦わせ、それでも決めかねて、最後にもう少し議論を深めましょう、となるのではないか。

 また、2作授賞の目もありそうです。となると、第148回(平成24年/2012年・下半期)のときのように、2つの作品が最終的に残って、2作に授賞するか1作に絞るのか、といった点で軽く揉める可能性は捨てきれません。

 さらに今回は、何といってもあれです。外の報道陣が異常なほどに騒がしくなることが、すでに確定しています。「ふふん、どうせみんな芥川賞目当てに来てるんでしょ、こっちは少しぐらい遅く発表したって構う人は誰もいないよね」などと直木賞の選考委員たちがヒネくれちゃって、やたら無用な発言をしあいながら、ゆっくり採決するはずだ……などと予想する人もいるみたいです。だけど、それはいくら何でも裏を読みすぎでしょう。

 ともかく長引きそうな要素は、十分にあります。うちのブログでは思い切って、本命ジルシを「19時40分」につけることにしました。

続きを読む "第153回(平成27年/2015年上半期)直木賞の発表を、まじめに予想する。"

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2015年1月11日 (日)

http://ja.wikipedia.org/wiki/第152回直木三十五賞

第152回直木三十五賞

第152回直木三十五賞(だいひゃくごじゅうにかい なおきさんじゅうごしょう)とは、2014年(平成26年)6月1日~11月30日(2014年下半期)に発表された新人・中堅作家の大衆文芸作品を対象にして行われる文学賞のことである。「第152回直木賞」とも呼ばれる。

正確には152回目ではなく、「第21回」が1945年(昭和20年)上半期と、1949年(昭和24年)上半期(戦後中断期間含む)の2度発表されているため、153回目の直木賞である。

開催経緯

主催は、出版社の株式会社文藝春秋と関係の深い[要検証 - ノート]公益財団法人日本文学振興会。もともと直木賞は、1935年(昭和10年)上半期より年に二回ずつ開催されていたが(第6回までの主催は直木賞選考委員会)、1944年(昭和19年)下半期を最後に、戦争および戦後まもなくの混乱のため[独自研究?]中断。1949年(昭和24年)に復活して以降、社会的にその開催を待望する声があがったことは一度もない[要出典]が、とくに中止する理由もないことから、惰性で第152回も開催されることが決まった、と言われている[誰によって?](ただし現段階で、第152回直木賞の開催理由は公式に明らかにされていない)。

2015年(平成27年)1月15日に、9名の選考委員(後述)による最終選考会が、東京・築地にある料亭「新喜楽」2階で行われる。選考会は非公開。

候補作(最終予選通過作)

最終選考会に先立つ2014年12月20日、報道機関を通じて最終予選通過作が一斉に発表された。青山文平『鬼はもとより』(徳間書店刊)、大島真寿美『あなたの本当の人生は』(文藝春秋刊)、木下昌輝『宇喜多の捨て嫁』(文藝春秋刊)、西加奈子『サラバ!』(小学館刊、上下巻)、万城目学『悟浄出立』(新潮社刊)の5作品(著者名五十音順[要出典])である。作品の質とは関係なく[要検証 - ノート]文藝春秋の書籍が2つも選ばれている点が特徴。これらが選ばれた理由・背景について、すでにさまざまな論者[誰?]が分析しているものの、すべて臆測でしかなく[要検証 - ノート]、真の理由はわからない。

なお上記は、あくまでも「最終予選通過作」である。日本文学振興会が委嘱した文藝春秋の編集者たちが合議で決めたものであり[要出典]、最終選考会の冒頭、選考委員たちが了承してはじめて「候補作」となるのが通例[要出典]。そのため、最終選考会より前に「候補作」と表記するのは誤り、との説もあったが、第152回直木賞では多くの報道機関がこれらを「候補作」として発表した。真偽は不明である。

上記作品はすべて書店で販売されている。近年の直木賞の人気低迷を受けて[独自研究?]、主催者や「ニコニコ」(後述)を運営するドワンゴ/ニワンゴが、インターネット上で各作品の冒頭のみを無償公開した。公開されたのは一部分だけだったが、選考委員たちも結末のわからないこの状態のものを選考するらしいと誤解するユーザーが急増し、社会問題となった。[疑問点 - ノート]

直木賞では事前に、選考と直接関係のない第三者たちが当落を予想する行為が慣例化している[要出典]。予想結果の正誤が真剣に問われることはほとんどなく、おおむね遊戯的なものである[疑問点 - ノート]。そのため、候補作をまったく読まない(あるいは一部の作品しか読まない)上で立てられる臆測、希望なども「予想」として認められている。[独自研究?]

近年では、直木賞に注目しているならば当然「予想」をするべきだ、という状況が生まれ、事前に予想をしないで直木賞を語る者は卑怯だと、なかば予想を強要する「直木賞予想ハラスメント(ヨソハラ)」も発生している。[疑問点 - ノート]

第152回直木賞の場合、今回で5度目の候補となる万城目学の作品、2度目の候補となる西加奈子の作品を、受賞するだろうと予想する数が一般的に多い[要出典]。ただし、これは作家の知名度に比例した結果でしかないという観測もあり[誰によって?]、信用できる予想かどうか活発な議論がなされている。[疑問点 - ノート]

また、直木賞では時代小説が有利、との有力な説[要出典]を理由に、青山文平と木下昌輝の作品を、受賞に予想する声もあった。とくに木下作品は文藝春秋から刊行されており、主催側の寄せる期待も高い[要検証 - ノート]ため、その意を汲んだ選考委員たちが票を投じるのではないか、といういわゆる「裏取引」説を唱える声も根強くある[要検証 - ノート](「裏取引」説については、「第89回直木三十五賞」を参照のこと)。しかしこういった指摘は、根拠が薄弱[独自研究?]で、「妄想予想」とも呼ばれて軽蔑の対象となる[疑問点 - ノート]ため、現在では、一部の掲示板を除き、ほぼ行われていない。その点では、大島真寿美作品も文藝春秋の刊行だが、大島作品に対しては、以前からの愛読者が送る応援の意味合いの予想が混在している、という見方がある。[誰によって?]

選考委員

最終選考会に出席するのは、浅田次郎(8年・16期目)、伊集院静(4年半・9期目)、北方謙三(15年・30期目)、桐野夏生(4年半・9期目)、高村薫(1年半・3期目)、林真理子(15年・30期目)、東野圭吾(1年半・3期目)、宮城谷昌光(15年・30期目)、宮部みゆき(6年半・13期目)の9名。司会進行は『オール讀物』編集長が行う。[要出典]

選考委員は全員、生身の人間である。一貫した批評眼や選考基準はない[独自研究?]。そのことはしばしば批判の対象になる[誰によって?]が、批判する側[誰?]にも、他人のことを語れるほどの一貫した主張があるわけではない[独自研究?]ため、選考委員が外部からの批判を気にすることはない、と言われている。[誰によって?]

また現在では、選考委員を中傷する場合は、「上から目線だ」という、印象を全面におしだした感情的な表現でののしる例が多い。[疑問点 - ノート]

選考委員による選評は『オール讀物』2015年3月号に掲載される予定である。選評には、選考会での発言とはまったく違うことが書かれていることも珍しくなく[要出典]、選評は、外部から直木賞のことを興味本位で見て発言する者たちを煙に巻くためのもの、と位置づけられている。[疑問点 - ノート]

メディアへの露出

受賞決定後は、新聞、テレビ、ラジオ、インターネットニュース(個人によるブログ、Twitterへの投稿も含む)など多方面で報道され、話題に上げられることが確定している[要検証 - ノート]従来から[いつから?]他の文学賞に比べて、直木賞(および芥川賞)の二賞だけ、この露出度を維持しているが[要出典]そこに特別の理由はなく、やはり惰性である。[要検証 - ノート]

受賞者の記者会見は、ニコニコ生放送で中継される。受賞した作家や作品に関わりなく大きく報道されるため、多くの場合、これを嫌悪・中傷・罵倒・誹謗する声があがる[要検証 - ノート]通常は、それら批判的な盛り上がりも合わせて「話題となった」と解釈される[独自研究?]ため、この賞に利害関係を持つ者[誰?]のあいだでは、世間からの批判は歓迎されている[要出典]

受賞者は、『オール讀物』2015年3月号で大きく紹介される。加えて、TBS系列「王様のブランチ」、『週刊文春』連載対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」に優先的に登場する権利が与えられる[要出典]さらに話題性があると認められると[要検証 - ノート]月刊『文藝春秋』にもエッセイやインタビューが掲載される。SF翻訳家・書評家の大森望と面識がある場合には、「ラジカントロプス2.0 文学賞メッタ斬り!結果編」のゲストになる可能性も高くなる[独自研究?]

また、受賞者がメディアで取り上げられるのは一定期間に限られており、その露出が長続きすることはほとんどない[要検証 - ノート]。そのため、一般的に「直木賞は前回決まった受賞者さえ、すぐに忘れられる」といった表現を使って、自分の記憶力の低さや、直木賞に対する自分の関心の薄さを誇示する人も多い。[疑問点 - ノート]

反応

候補作を刊行している出版社、一部の[要追加記述]大型書店、または文学賞に関心のある奇人など[誰?]を例外として、選考会が行われるまでの反応は、ほぼ皆無と言っていい。[疑問点 - ノート]

評価

主催の日本文学振興会は「日本の文学を担っていく期待の受賞者が誕生した」と言い[要検証 - ノート]、読書メーターでは「受賞作と聞いて読んだけど期待したほどではなかった」という感想文が並ぶ。[要検証 - ノート]

参考文献

  • 『オール讀物』2015年1月号(候補作の冒頭抄録と、候補作家全員のインタビュー記事が掲載されている)

外部リンク

 という内容の項目をつくったところ、ご見識をもって取り締まっていらっしゃる方々から上記のようなタグがバシバシ貼られ、気づいたら項目そのものが削除されていました……。

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2014年7月13日 (日)

第151回直木賞(平成26年/2014年上半期)は果たしてどこまで行くのか

 直木賞はよく「内弁慶」だと言われます。「井の中の蛙」とたとえる人もいます。「ウサギ小屋」だとか、「公園の砂場」だとか、口さがない人たちは、そうやって直木賞が狭い領域しか相手にしない限定的な賞であることを揶揄してきました。正直どれも、だいたい当たっていると思います。

 「世界は広い。しかし直木賞は狭い」という名言を残したのは、ええと、誰でしたっけ。司馬遼太郎さんか城山三郎さんあたりだった記憶が、おぼろげながらありますが、いまパッと思い出せません。適宜ググってみてください。誰でも一度は耳にしたことがある有名な言葉だと思いますので、くわしくは割愛します。

 ……ここであえて補足しますと、上に書いたことは冗談です。すみません。

 さていよいよ、最新の直木賞が近づいてきました。これは冗談ではありません(直木賞の存在自体が冗談みたいなもの、という説もある)。第151回(平成26年/2014年上半期)の選考会は、7月17日(木)です。今回の直木賞は(も)、いちばん注目されているのは、果たして直木賞は広くなったのか、いや通常どおり窮屈な世界のなかで決まるのか……、といったところのようで、よその直木賞予想を見ていても、まず作品の「距離」を計測するところから始める方が多いようです。

 ですよね。うちのブログの特徴は、いつも、王道とは縁遠い直木賞バナシばかり展開するところにあるんですが、今回は世間並みに歩調を合わせ、手垢のついたやり方で、候補作品を紹介したいと思います。

 こんな感じです(まずは、とりあえずの暫定の移動距離です)。

151

 見るも明らか、読むも明らか。新潟←→東京の長距離間を(クドいくらいに)せっせと往復するお話としておなじみ、『ミッドナイト・バス』が、ぶっちぎりでトップ! うん、順当な結果でしょう。

 そもそもが、ひんぱんな(そして長距離の)往復運動に、読み手がどこまで耐えられるか。と、こちら側を試しているなかなか挑戦的な候補作だと思います。ちなみに、山周賞の選考委員たちは、みんな途中で酔って気持ちわるくなったとか何とか。あくまでウワサですが。

 安定感、といって今回注目のマトになっている2作品。『破門』は大阪中心、『男ともだち』は京都中心を根城として、安定感を醸し出しています。

 しかし、それだけじゃないのが両作の特徴で、『破門』は、二宮くんに車を遠距離運転させる無茶な桑原、のお得意のエピソードを惜しげもなくそそぎ込み、京都、奈良、兵庫、あるいは今治と動きまわって距離を稼ぎました。いっぽう『男ともだち』のほうは、九州出身で福岡に実家があるけどいまは富山に勤務、っちゅう〈男ともだち〉を設定して、こちらも、京都市内にとどまることなく、読み手を旅行に連れ出す工夫が盛り込まれているわけです。

 『私に似た人』と『満願』は、「地方都市」だったり、「国道60号線」前の交番だったり、実在の場所を特定させないような手法を採り入れた作品です。ただ、完全にはボカしていません。しっかり東京の街を描いてみせたり、栃木の八溝、伊豆半島、などなど具体的にイメージできる地名を出してくる。ええ、なにしろ直木賞はリアリティ重視の賞ですから、架空すぎると選考委員の人たちは混乱して、辛い点をつけたりします(直木賞あるある)。その辺は、巧みに回避することができそうな2作品です。

 そして、最も動きの少ないのが『本屋さんのダイアナ』。半年前を思い出しますね。『伊藤くんA to E』は、東京のなかでしか話が進まなかったせいで、あまりにも領域が狭すぎると選考会でブーブー言われてしまい、さほど評価が上がりませんでした。そこで(?)今回は、わざわざ鎌倉・江ノ島あたりにまで繰り出す、というナイス・アクション! 柚木作品が行動派の一面をもっていることを垣間見せてくれています。

 直木賞では、場所が一か所に止まっていると不利、というのが定説です。いまさら言うまでもありません。たとえば、『昭和の犬』や『恋歌』が受賞できたのは、物語中盤に、滋賀から東京へ、あるいは東京(江戸)から水戸へ、場所を移したからだ、『ホテルローヤル』の評判があれほど選考会で高かったのは、道東のラブホテルのハナシだっていっているのに、なぜか途中、函館のエピソードが入っていたからだ、……などなど、そんな指摘を一度ならずとも耳にしたことがありますよね? ええ、いまや直木賞の常識です。

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2014年1月12日 (日)

第150回直木賞(平成25年/2013年下半期)直前集中講座 選考委員になるための5つのポイント

 かつて作家志望者にとって芥川賞はあこがれでした。それに比べて直木賞は長らく、モノ書いてカネが欲しいだけの精神的に卑しい連中に与えられるもの、とされてきました。

 しかし昭和30年代ごろから、徐々に様相が変わっていきます。小説でおカネをもらって何が悪い、と日本人のエコノミック・アニマルたる本領が存分に発揮されていくのにつれ、「うん、有名にもなれるし金も儲かるし、直木賞とるのも悪くないね」と、これをも目標のひとつにとらえる作家志望者が増え出しました。

 さらに時代はくだり、現代。その意識は変貌を遂げます。

 高給取りの編集者に偉そうに指示されながら、汗水流して小説を書き、ちまちまお金を稼ぐなんてダルくてやっていられない、と思う若者が急増します。収入の不安定な作家をめざして直木賞の受賞を目指すのは愚かなことだと、作家志望者たちの「直木賞離れ」が進みました。その結果、一年に二度、人の小説を読んで勝手きままに優劣をつけるだけで百万円も二百万ももらえ、しかも生涯、その収入が保障されている安定した職業……直木賞選考委員になりたい! とその人気が急上昇。いま、カルチャースクールなどでは「作家養成講座」は閑散としているのに、「選考委員養成講座」には、定員をはるかに超える応募者が殺到している、と各種メディアで報じられて話題となっているのは、みなさんご存じのとおりです。

 果たして、どうすれば直木賞の選考委員になれるのか。……いま最も関心をもたれているテーマのひとつと言っていいでしょう。

 第150回(平成25年/2013年下半期)の選考会が1月16日(木)に開かれる直前、「直木賞専門」をうたう当ブログでも、やはり、巷間関心の高いこの話題を無視するわけにはいきません。「直木賞選考委員を育てるスクール東京校」は、K・Hさん、K・Tさんなどを選考委員に就任させた実績で俄然その名が知られるようになりましたが、同校の全面協力のもと、そのエッセンスだけでも、うちのブログで紹介させてもらいたいと思います。

 最も大事なのは以下の5つのポイントだそうです。

■ポイント1 まわりの人たちと仲良くしましょう。

  自己顕示欲が強くて、まわりを気づかう姿勢が足りず、すぐに悶着を起こしたりしていませんか? そういう人は、すぐに改善してください。直木賞の選考会は、2時間3時間、他人から退屈なハナシを聞かされても文句を言わない、おだやかで明るく前向きな仲間を求めています。

 少し前の資料ですが、こんな話があります。

「女流作家が両賞の選考委員に加わるようになったのは、第九十七回(昭和六十二年上期)からで、芥川賞に河野多恵子大庭みな子、直木賞に平岩弓枝田辺聖子が加わったのである。

(引用者中略)女性作家を選考に加えなければ……という意向は、関係者の心中にはあったようだが、容易に実現しなかった。選考委員の入れ替えは通常、委員の辞任、死亡などによる補充として行われるが、新しい選考委員の選定については、まず従来からの選考委員の了承を得ることにしている。それができなかったのである。」(平成1年/1989年12月・オール出版刊 藤田昌司・著『現代文学解体新書』より)

 従来からいる委員に嫌われていないことが、かつては選考委員になる条件だった、と言っているわけですね。

 彼らに選考を委任する主催者にとっても、選考委員同士のあいだでイガミ合いが勃発するのは、好ましいことではありません。ですから、やはりこういう観点での人選を行なうこととなります。

「選考委員は、日本文学振興会の理事長である文藝春秋の社長が大所高所に立って人選する。私は尋ねられれば幾人かの作家を上げられるよう、日頃から心がけていた。選考会だから、協調性のある人であるとつとまらない。」(平成20年/2008年12月・青志社刊 高橋一清・著『編集者魂』「「芥川賞・直木賞」物語」より)

 すぐ喧嘩して、場を台無しにするような人は、作家向きではあるかもしれません。しかし選考委員向きではありません。選考委員を目指すみなさんは、ぜひ、「自分は人サマからお金を頂戴している雇われの身なのだ」という自覚をもてる常識人でいましょう。

 

■ポイント2 面倒な役回りも積極的に引き受けましょう。

 選考委員になりたいという人は、いまの日本にはたくさんいます。しかし、選考委員を人選する人たちは、うらぶれた、よそで注目を浴びていないような人には、声をかけてくれません。

 ですので、ともかくも「消えてしまうこと」「人から忘れられてしまうこと」は絶対的な恐怖なのだと認識してください。そして、それに打ち克つことこそ、選考委員になる日へとつながっていきます。

「自分は直木賞を取っただけの作家で終わってしまうのかもしれない、としばしば不安になった霧の中の十年間でしたが、この期間にもとにかく書き続けてこられたことで、ちょっと腕力がつきました。自分ではすごく良く書けたと思った作品なのに、期待したほど売れなくてがっかりしたことも何度かありましたが、あまりにもたくさん書いたから、売れるも八卦、良い作品も八卦、玉石混交も仕方ないよね、という境地にまで至りました。(引用者中略)

 私は、直木賞以降の年月を自ら「失われた十年」と言うことも多いのですが、なにはともあれ、絶対にすべてを芸の肥やしにしてやる、と思って努力し続けていると、実は後でいちばん胸を張れる期間になっていたりします。」(平成25年/2013年4月・講談社/講談社現代新書 林真理子・著『野心のすすめ』「第三章 野心の履歴書」より)

 なぜ「失われた十年」なのかといえば、十年後に柴田錬三郎賞を受賞したから……つまり文学賞に縁のなかった期間を、ぬけぬけと「失われた」と表現してしまう感覚、自分には持てないなあ、などと思った瞬間、あなたは選考委員の座から遠ざかります。林さんを見ならわなくてはいけません。

 林さんの場合は、受賞前に十分メディア露出を果たしていましたから、その後は、少し控えても問題はありませんでした。しかし、多くの人に顔が知られた時期がある、ということは重要です。もしあなたが、目立ちたがり屋で、人前に出ていくことに抵抗がないようであれば、テレビやラジオ、講演などなど、大勢の前に出られる仕事は進んで引き受けましょう。

 自分はそういう柄ではない、とあきらめる人がいるかもしれません。がっかりしないでください。オモテに出ることがイヤならば、ウラで頑張る手もあります。たとえば阿刀田高さん、北方謙三さん、東野圭吾さんなどが務めた日本推理作家協会の会長職は、いまでは「直木賞選考委員への近道」とすら言われています。グループ内の集まりなどでは、「長」のつく仕事――これは基本、面倒な仕事が多いですが――は、イヤそうなそぶりをしてでも引き受けることが重要、というわけです。

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2013年7月14日 (日)

第149回直木賞(平成25年/2013年上半期)は、40~45、17~20のなかの争い。

 直木賞が、小説の内容や優劣だけで決まる賞ではない、ってことは、みなさんご存じのとおりです。

 受賞作がおもしろいとかつまらないとか、何万部売れたとか売れないとか、そんなことは、直木賞全体の魅力からすれば、まったくチッポケなことです。オマケ程度のことです。

 ……というわけで、小説の評価から離れて「直木賞らしい直木賞の楽しみ方」を満喫できるよう、うちのブログでは毎回、選考会の前にネタ系のエントリーを書いています。ときに、今週水曜日7月17日の第149回(平成25年/2013年・上半期)選考会がせまってきました。今回もやはり、6つの候補作それぞれの位置づけを確認して、来たる選考会を迎えたいと思います。

 で、全国の字組ファンの方、お待たせしました。これまで当ブログでは、候補作の重量だの、表紙の色だの、装丁家だの、いくつかの切り口から候補作を紹介してきました。だけど、アレです。候補作品の「体裁」と言って、最も選考委員の脳に影響を与えるもの。それは「字組」に他なりません。

 まず、パッとページを広げたときの印象。スカスカで安っぽいな、と思わせるか。逆にギッチリ詰め込まれていて、読みごたえがありそうだな、と思わせるか。ちょっと他とは違う個性を感じさせるか。あえてオーソドックスさを選ぶことで、版面から滲み出る主張を抑えるか。……印象は大事です。

 さらに、文字を追う「作業」のなかでも、字組の違いは大きくモノを言います。天地・小口・ノドからの余白、フォントの種類や大きさなどが、どれほど重要な役割を占めるか、本づくりに携わっている方なら、当然ご存じでしょう。とくに直木賞なんてものは、基本どれが受賞してもおかしくないぐらいの小説ばかりが候補になります。選考委員たちの脳の奥底に残ったわずかな印象が、最終的に当落を決める分かれ目になります。

 じつは、全国には長年にわたって趣味で直木賞の予想をしている人たちがたくさんいて、おのずとネットワークが形成されています。ワタクシは、そのなかの20名ぐらいを知っていますが、うち一人から、こんな話を聞いたことがあります。「福井のある町に、伝説の予想屋と呼ばれている人がいて、その人は候補になった本をパラパラとめくって字組の感じを見るだけで、当落の可能性を割り出すらしい。しかもそれが、けっこう当たるらしい」と。世の中は広いです。

 そのハナシを聞いてからというもの、ワタクシも、候補作の字組に注目するようになりました。直木賞をとりまく字組にも流行があり、あまりに古いデータは参考にならないと思うので、ここでは過去5年分の、受賞作・候補作を並べてみました。本来、頁四辺の余白や、書体・文字の大きさまで考慮すべきですが、一頁の行数×一行の文字数、だけにフォーカスしてあります。これだけでも、だいたい、直木賞の好む字組かそうでないか、を見るには十分でしょう。

 今回、直木賞で好まれるのは、湊かなえ『望郷』と宮内悠介『ヨハネスブルグの天使たち』の二作、次いで桜木紫乃『ホテルローヤル』だ、ということがわかります。

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 最近の候補作は、一頁行数18行・19行のあたりにひしめき合っています。なかで18行のほうが直木賞では有利に働き、さらに行あたりの文字数が少ないと、概して受賞率が上がります。要するに、幾分ゆったりとした組み方をしたり、大きめの文字を使ったりしている本です。選考委員たちに心地よく感じられるゾーンが、ここにある、というわけです。

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2013年1月13日 (日)

第148回直木賞(平成24年/2012年下半期)候補作を、装幀者から楽しんでみる。

 半年に一度、直木賞の選考会直前の日曜日がやってきました。いつも当ブログでは、冗談のようなバカバカしいような、〈ネタ〉系のエントリーを書いて、訪問者のご機嫌をうかがっています。

 今回は何にしようか。ふざけてばっかりいるのもアレだし。などと考えまして、いまちょうど、うちのブログで毎週取り上げているテーマに即した内容にしようと思い至りました。

 「直木賞(裏)人物事典」です。

 直木賞ってやつは、決して候補作家や選考委員たちだけがつくってきたわけじゃない、その周辺に(いろんな意味で)支えてきた人たちがいるから、いまワタクシたちの目の前にある「直木賞」になっているんだ、って思いでエントリーを書いています。

 ……ということで今週は、第148回(平成24年/2012年下半期)直木賞の候補作となっている6つの作品の、装幀家たちに、主役を務めてもらいます。

 せわしない現代社会です。候補作が6つもあるのか、そんなくだらない読み物、読んでるヒマないよ。という方は多いでしょう。今日のエントリーは、そんな方に送ります。6つの本をオモテ側から見るだけでいいのです。どの装幀家の作品が、直木賞をとったら、テレビ画面映えするだろう、本屋に積まれて絵になるだろう、と想像をめぐらすだけでいいんですから。ほんと、直木賞レースは、小説を読まなくたって楽しめますよね。

■第148回(平成24年/2012年下半期)直木賞候補作

  • 芦澤泰偉 『国を蹴った男』(平成24年/2012年10月・講談社刊)
  • カマベヨシヒコ 『空飛ぶ広報室』(平成24年/2012年7月・幻冬舎刊)…ブックデザイン
  • 菊地信義 『等伯』(上)(下)(平成24年/2012年9月・日本経済新聞出版社刊)
  • 新潮社装幀室 『何者』(平成24年/2012年11月・新潮社刊)
  • 鈴木成一デザイン室 『ふくわらい』(平成24年/2012年8月・朝日新聞出版刊)…カバー装丁
  • 野中深雪 『春はそこまで』(平成24年/2012年8月・文藝春秋刊)
Ashizawa Taii
あしざわ たいい
芦澤 泰偉
くに おとこ
国を 蹴った 男』
平成24年/2012年10月25日・講談社刊

短篇集
295頁
四六判上製
本体価格1,600円(税別)
ISBN 978-4-06-217991-1

著者伊東潤
装画
北村さゆり
発行者
鈴木哲
印刷所
豊国印刷株式会社
製本所
黒柳製本株式会社
ハミダシ情報
芦澤さんといえば、当然、彫刻家・御宿至の作品集で縁ぶかい安部龍太郎さんの作品で候補ですよね。と思っていた大方の予想がくつがえされました。今回は伊東さんのほうに加担です。

3年前、PHP研究所にまさかの直木賞をもたらした〈魔法の手〉は今も健在かしら……。と、今日電車に乗っていたら隣のおばさんたちが話し合っていました。やはり芦澤さん、注目の人です。

10数年前の芦澤さんの発言に、こんなものがあります。「新人には気を使う。幾分誇張になってもいいから強さを出してやりたい。伸びてほしいという願いも込めてね」(『静岡新聞』平成13年/2001年7月15日「表現ゼロワン」より)。ほんとだ。『国を蹴った男』、強さが存分に出ている! よっ。千両役者!
年齢(平成25年/2013年1月現在)
64歳
経歴
昭和23年/1948年、静岡県静岡市生まれ。昭和46年/1971年、東京都美術館第10回「毎日現代美術展」に出品。美術集団ニルヴァーナに参加し、広告会社を経て、昭和55年/1980年より荒川洋治の主宰する紫陽社の装幀を手がけ始める。
過去10年の直木賞候補歴
  • 第128回『似せ者』(平成14年/2002年8月・講談社刊、松井今朝子著)
  • 第140回【受賞】『利休にたずねよ』(平成20年/2008年11月・PHP研究所刊、山本兼一著)
  • Kamabe Yoshihiko
    カマベヨシヒコ
    そらと こうほうしつ
    空飛ぶ 広報室』
    (ブックデザイン)
    平成24年/2012年7月25日・幻冬舎刊

    長篇
    462頁
    四六判上製
    価格1,600円(税別)
    ISBN 978-4-344-02217-1

    著者有川浩
    カバー写真
    藤岡雅樹(小学館)
    発行者
    見城徹
    印刷・製本
    中央精版印刷株式会社
    ハミダシ情報
    怒られる前に言い訳しておきます。右の「経歴」は「鎌部善彦」さんのものです。「カマベヨシヒコ」さんのことがわからなかったので、暫定的に載せました。

    ……しかし、どっちのカマベさんにしても、直木賞ファンたちの期待感は一致しています。ラノベの装幀にコノ人あり、の地位を築いてきたカマベさんが、ついに直木賞作装幀家になるの、どうなの!? あの桜庭一樹さんでさえ、直木賞受賞は、それまで数多くの受賞歴・候補歴を誇ってきた鈴木成一デザイン室とタッグを組んでようやく果たしました。カマベ&有川、いったいどうなるのでしょう。

    選考委員の誰か、選評でブックデザインに言及してくれないかなあ。「ひととおりはできているものの、いかにも軽すぎる」みたいな選評が載ったら、それはそれで、大事件ですもの。

    年齢(平成25年/2013年1月現在)
    47歳
    経歴
    昭和41年/1966年生まれ。多摩美術学園グラフィック卒。主に雑誌のエディトリアルデザインに携わるかたわら、1990年代からライトノベルのブックデザインを手がける。(平成16年/2004年8月・日経BP社刊『ライトノベル完全読本』より)
    過去10年の直木賞候補歴
  • なし
  • 続きを読む "第148回直木賞(平成24年/2012年下半期)候補作を、装幀者から楽しんでみる。"

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