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2013年6月16日 (日)

第7期のテーマは「選考委員たち」。多彩な候補作をまえに委員たちはどう立ち向かってきたか。薦めたり、けなしたり。その激闘ぶりを追います。

 うちのブログは平成19年/2007年5月に始めました。毎週1本ずつ、直木賞に関する話題をああだこうだと書いてきて、6年を超えたところです。

 直木賞、とひと口で言っても切り口は無数にありますし、書いているワタクシ自身も飽きちゃうので、1年ずつ、違うテーマを設けることにしています。これまでの6年間は、こんな感じでした

 メインテーマに、「受賞者」を持ってきたこともありました。(落選した)「候補者」も取り上げました。直接、直木賞の関連人物としてオモテ立って言及されることの少ない「評論家、編集者、そのほか裏方」を主役にもしました。となれば、当然、直木賞を彩る登場人物のうち、「選考委員」を忘れるわけにはいきません。

 だいたい受賞者や候補者ばかりに目が行きがちですけど、この人たちは直木賞と一回関わるだけの存在です。多くたって10回が最高。ゲストです。招待客です。サッと現われて、サッと消えていく。

 それに比べたら選考委員こそ、直木賞の中核をなす、と言っていいでしょう。長い人では20年も30年も、ずーっと直木賞に関わりつづけるわけですから。しかも主催者ではない。自分が始めたくて始めたわけではない。なのに外からは、いかにも「主催者と一心同体」と見られて、ガーガー文句を言われる。哀しい存在です。

 よーし、ここはひとつ、選考委員をテーマにしようじゃないかと思いました。一週につき一人。これまで直木賞の委員経験者は48人います(芥川賞委員が兼任で選考した例を除く)。だいたい一年ぐらいはもちそうです。

 ただ、単に選考委員を紹介していくだけでは、まとまりがつかなくなるおそれがあります。あるいは、選考委員の書いたすべての選評を読んで何か言う、なんて方法も考えましたが、それだと文学賞メッタ斬り!の二番煎じ、真似になっちゃいます。ですので、彼・彼女の選考のうち、候補に対する姿勢なり迷いなり高揚感なりが、よく現われている事例に、なるべく絞って取り上げていきたいと思います。

 次から次へ押し寄せる新たな候補者・候補作家たち。その状況で、選考委員はどう戦いに臨んできたのか。選考委員VS候補。血わき肉躍るバトルです。

 たぶん、横山秀夫さんをイラつかせた林真理子さんの事例とかに、多くの人が喰いつきます。偉そうにふんぞり返った委員が、読者人気の高い候補をぶっ叩く、みたいなバトルが最も人目を引くんでしょう。もちろん、そういうものも取り上げていきます。ただ、バトルはそれだけではないはずです。気持ち悪いほどひとりの候補に惚れ込んで執着した委員、落選させたことをのちのち後悔する委員など、バトルの様相はさまざまあります。いろんな選考委員の姿を紹介できたらいいな、と思っています。

 ……まず一週目は、「直木賞の申し子」から始めます。戦後の直木賞、だれにも注目されていなかった頃から、にわかにマスコミの視線を浴びるようになった時期までを経験した、ひとりの選考委員と、ある候補者について。

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コメント

いやぁ~、来ましたネェ新シリーズ!
しかも「選考委員」!今からめちゃくちゃワクワクします(^^)
「選考委員VS候補」っていうテーマもイイですネェ~。今後とも楽しみデス(^^)

あ、でも「すべての選評を読んで何か言う」も見たい気もします(笑)
メッタ斬りでも「直木賞だけの」「第1回から現在まで」「全委員」の選評は取り上げてないので、二番煎じではナイと思いマス(笑)

投稿: しょう | 2013年6月17日 (月) 22時29分

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