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2008年5月 4日 (日)

第2期は、あまり光の当たらない名候補作をフューチャー

 絶対に直木賞のこと以外は書きません、で押し通している本ブログも、めでたく2年目に突入です。

 ここからしばらくは、過去70余年のあいだに登場した直木賞の「候補作」に目を向けたいと思います。

 たとえば主催者(日本文学振興会)や、出版社や、マスコミのなかでは、受賞作と候補作との扱いに、格段の差があるんですが、これは賞ってやつが生まれつき持っている原理から生ずる現象ですから、しかたありません。が、直木賞オタクがいつまでもそれに追従しているようじゃ、世も末です。

 オタクとは言わないまでも、読書好きのあなた。受賞作と、そのとき競った候補作と両方とも読んでみたけど、おいらは、むしろ落選したコッチの作品のほうが好きだなあ、って感想を持ったことありませんか? そう、その感覚はぜひとも大切にしたいところです。

 さらに「直木賞」総体のハナシで言いますと、過去の受賞作だけをざざざっと見渡して、“直木賞はね、こんな傾向の賞なんですよ”と語るのも、もちろん立派です。ただ、その論点にはどうしても限界がつきまといます。本来、候補作全体を見渡して、なおかつ受賞作を見てこその“傾向”であり“全体像の把握”ですよね。

 でも、受賞作だけで170作ちょい、そのうえに候補作もとらえようとすると1,000作以上の作品を対象にしなくちゃいけません。まあ、誰もやりませんわな。

 正直申しますと現段階で、ワタクシ自身、全部の候補作を読み通したわけじゃありません。それでも、常識的な日本人よりは多少、多めに候補作に触れているはずなので、この場を借りまして、だいたい1週間に1作ずつ、「時の選考委員たちには受け入れられなかったけど、ぜひとも紹介しておきたい名候補作」を取り上げていきたいと思います。

 こんな基準で。

[1] 直木賞の歴史のなかで、重要な道標となった作品。【歴史的重要度】

 この賞の歴史や変節を見ていくうえでは、受賞作よりも、案外、候補作のなかに重要な道しるべが埋まっているものです。きっと。

[2] 惜しいかな、今ではほとんど知られていない作家の作品。【一般的無名度】

 知られていないにはそれなりの理由はあるんでしょうけど、そこに無理やりにでも光を当てる半ば空疎な作業も、また面白いじゃないですか。

 なので、受賞作家がそれ以前に候補になったときの作品、というのは基本的に今回の試みの対象からは外させてもらいます。

[3] 何よりも、ワタクシ自身が読んでおもしろかった作品。【極私的推奨度】

 歴代選考委員の方々の批評眼を信用してないわけじゃありませんよ。でも、好みってやつは、ほら、人それぞれでして。

 目安として、古い時代のことばかりでも飽き飽きするでしょうし、最近のことばかりでもナマナマしすぎるので、時期を10回分(5年分)ごとに区切り、まず第1回(昭和10年/1935年・上半期)~第10回(昭和14年/1939年・下半期)のなかから1作品に焦点を当てて、それをブログエントリーごとに徐々に現在に近づかせていきます。最後までやって全14作品。このセットを3回4回繰り返せば、まあ、だいたい今後1年はこのネタで持つかなと。

 ってことで、最初は、直木賞草創期のころの、名候補作からです。

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コメント

よく見掛けますが、featureとfuture、全然違うので間違わないようにしましょう。

投稿: | 2008年5月 4日 (日) 22時31分

なるほど、ただしくはフィーチャー、ですか。

間違いへのご指摘、感謝です。

もし今後とも、本文中にも事実誤認等ありましたら
ご遠慮なくコメントください。

投稿: P.L.B. | 2008年5月 4日 (日) 23時17分

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